月別アーカイブ: 2020年6月

会長挨拶

会長 金田 保男

2019年末発生した「新型コロナウィルス(COVID-19)」と言われる感染症は、パンデミック(世界的大流行)となりました。4月には緊急事態宣言が発令され諸対策の結果横這いおよび縮小傾向にありますが一定の収束状態から今後ともまた拡大に転ずる可能性を常に秘めています。神奈川学習センターも施設利用を停止せざるを得なくなり、長期間センターでの活動ができない状態に陥りました。この間にも神奈川同窓会役員は、Web会議等により活動がいつでも再開できるように準備して参りました。当該期間自宅で考えた事は何でもない普通の生活パターンが何とありがたく、また精神的肉体的健康に極めて良好な結果をもたらしてきた事です。「私達がなぜ学習しているのか」その意義を考える機会にもなりました。

〔創立30周年を迎えた神奈川同窓会〕

 1990(平成2)年3月に放送大学同窓会総会が開催され、同年10月放送大学神奈川学習センター支部が設立されて今年で創立30年を迎えました。この間会員の皆様・学習センター教職員および歴代役員の献身的努力により、名実ともに先進的な同窓会として先頭集団を走ってきました。2020年4月1日現在の神奈川同窓会会員は590名となりました。「会社の寿命は30年」といわれておりますが、30年経つと時代が変わっているのに、今迄と同じことを行っていては取り残されてしまいます。大学および同窓会も例外ではありません。神奈川同窓会は30周年を迎えた喜びと同時に、30周年は時代の節目に当たります。このことを常に念頭に置いて事にあたって参ります。

〔これからの時代に向けて〕

 今回コロナ禍にあたり世の中の生活様式も変わらざるを得なくなります。経済もコロナ禍により一気に様変わりし、時代も大きく変わろうとしています。神奈川同窓会役員会では、Web会議の導入により対処してきました。また教育分野においては小学校から大学までオンライン授業が進み、著しく変化してきています。ICT(情報通信技術)の普及が進み新しい様式が生まれようとしています。人との接し方が変わるこれからの時代にあっても、これまでの「絆」を失ってはなりません。

〔学習と認知機能の関係について〕

 放送大学教材に「加齢と認知機能をめぐる研究」の紹介があります1。「ナン・スタディ」2と呼ばれる米国修道女の縦断的精神的検査の研究結果報告より「90歳を超えて健康である修道女は、1日何キロも歩くことを習慣としていた。運動は血管の健康を保つための確実な方法の一つであり、年代に関係なく有効である。脳が活発に働くため『うつ病』が避けられ脳組織の損傷を防ぐことができる。心筋梗塞で亡くなった別の修道女の例は驚きである。晩年まで認知テストで対象者700人のうち上位10%に入る好成績だったが、亡くなった後にその脳を調べると、その器質的な状態は人格を喪失するほどのアルツハイマー病になってもおかしくなかった。この方は最後まで鋭敏な知力を失わず、晩年も人を導いた。研究者達は、効率が良くて処理能力に優れた可塑性の高い柔軟な脳とそうではない弱い脳があり、強い脳はアルツハイマー病で組織がやられても症状が出ないと推測した。」という。何と元気の出る話ではないか!放送大学に学ぶ多くの方は強い脳に鍛え上げているものと考えられます。私達は普通の生活習慣、普通の継続学習、普通の会話を続けて参りましょう。 以上

  1. 岩崎久美子先生「成人の発達と学習」第4章80頁より
  2. Nun:キリスト教の修道女の名称。カトリック教ではsister